フランスには la loi MOPとい法律があり、その中にプロジェクトの進め方の大まかな指針がある。(La loi no 85-704 du 12 juillet 1985 relative à la maîtrise d'ouvrage publique et à ses rapports avec la maîtrise d'œuvre privée, dite loi MOP)
その中で定められているプロジェクトのフェーズは以下の通り
ESQ (Esquisse) : エスキース。1/500から1/200程度の図面を作成。
APS (Avant Projet Sommaire) : 基本設計1。1/200程度の図面を作成。コンペの場合、エスキスレベルかAPS程度の表現が求められる。
PC (Permis de Construire) : 確認申請の設計図面。正確にはフェーズには含まれていないが、APS, APDのどちらかの途中に提出することが多い。
APD (Avant Projet Définitif) : 基本設計2。1/100程度の図面を作成。必要に応じて詳細図1/50程度で作成。
PRO (Projet) : 実施設計。1/50程度の図面を作成。他に必要な箇所はディテールなど(縮尺1/20から1/2程)も描く。
DCE (Dossier de Consultation des Entreprises) : 施工業者が見積もりを出すための図面。PROと同じ図面を使うので厳密にはフェーズには含まれない。PRO/DCEと一括りにされることが多い。
ACT (Assistance pour la passation des Contrats des Travaux) : 複数の業者が作成した見積もりを比較、検討してどの業者を選定するか決める。Economiste(積算者)が設計チームにいる場合は主に彼らの仕事であるが、設計者も当然チェックする。
DET (Direction d'exécution des contrats de travaux) : 現場監理。設計図通りに建物が出来るよう監督する。
EXE (études d'exécution ) : 施工図面の作成。必ず設計者が行うとは限らず、施工者が作成した図面をチェックして許可を出すVISAというやり方もある。
SYN (synthèse) : 工事項目ごとの図面を総括し、全体に問題がないかチェックする。
VISA : 施工者が作成した図面をチェックし、許可を出す。
OPC (Ordonnancement, coordination et de Pilotage du chantier) : 工事現場の進行を管理する。フランスでは全工事を請け負うゼネコン(Entreprise Généraleという)ではなく、工事項目ごとに分離発注することが多いので、各施工業者間のコーディネーションが重要になる。そのためPiloteと呼ばれる調整役が現場にいる。規模の小さなプロジェクトなら設計事務所が請け負うこともあり、やり方は様々。
AOR (Assistance apportée au maîtrise d'ouvrage lors des opérations de réception): 竣工した建物をチェックし、建築主に引き渡す。引き渡しのことはlivraisonともいう。
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